令和3年 司法試験 再現答案構成

再現答案を作っていたのですが、挫折したので箇条書きのメモだけ載せておきます。相場はよくわからないけど、A-A-B/C-A-B-A-Aくらいだと思っています。民法民事訴訟法は本当に混乱しました。知財は別にフル答案があります(令和3年 司法試験 再現答案 知的財産法)。経済法は勉強のために書いたフル答案があります(令和3年 司法試験 参考答案 経済法)。短答は140-150くらいになりそうです。

 

 

 

憲法

  • 規制1
    • 制約がない?→方法の規制。吉祥寺駅、立川テント村、大阪市広告物条例、大分市広告物条例でも一応利益衡量を行っている。
    • 権利は重要(堀越)。規制態様は非内容規制・非事前規制で強度ではない。新潟公安条例事件、泉佐野市民会館事件のような厳格な審査基準は妥当しない。
    • しかし、萎縮効果が強度。そういう発言をしているし、政治的見解による採用・雇用における差別は往々にしてある。また、顔は常にさらされているが、万人不同性・終生不変性があり、AIを利用したバイオメトリクス技術の発達によりプロファイリングが容易となっている。重要な公益目的ー必要かつ合理的な手段。
    • 目的は重要。関連性はある。しかし著しく均衡を欠き、必要な限度を超える。
    • 香港の立法、韓国のネット実名制、「匿名表現の自由」などが浮かんだがよくわからなかった。京都府学連は引用しなかったが、顔といえばあれなのでどこかで引用したほうがよかったのかもしれない。「匿名表現の自由」は萎縮効果ゆえに保障されるという議論があるようなので(情報法概説2版15頁)、それほど間違っていなかったかも。
  • 規制2 
    • 結社の自由。結社としての活動の事由も含む。
    • 制約なし?→萎縮効果、「自覚ある行動」(とは?)=行動の変革を意図しているからあり。
    • 権利は重要。しかし規制態様が重大ではない。萎縮効果も規制1と違ってそれほど強くはない。正当な公益目的ー必要かつ合理的な手段。
    • 目的は正当。しかし必要性・合理性がない:①10%が過去に行ったというだけではでは団体が助長したとはいえないし、③対象メディアが広すぎ(助長を本来的目的とする団体ではないのだから)、②対象アカウントが広すぎ(代表者・幹部以外)。
    • 「団体規制」と言っているのでオウム解散命令事件と成田新法事件が浮かんだがよくわからなかった。制約のところで書いた「行動の変革を意図している」というのは、今考えるとオウム決定が「信仰に容喙する意図ではない」みたいなことを言っているのと対照的だった。

 

行政法

  • 設問1
    • 小問1
      • 裁量審査の中で使われる概念が法的地位なのか?→北海道パチンコ事件から法的地位→それを否定するから処分性あり。
      • ひたすら誘導に従った。
    • 小問2
      • 同一主体が同時に同一基準に従って審査する場合には、一方が違法とされれば他方も当然に再考すべき関係にあるから、訴えの利益あり。
      • 東京12チャンネル事件だなとは思ったけど、内容は思い出せなかった。取消判決の拘束力も、特許の審決取消訴訟でそれなりに勉強していたはずだったが、その話だと認識できなかった。キーワードの「表裏一体」は書けなかったけどそれっぽいことは書いたので加点してほしい。
  • 設問2
    • 他人名義営業者への配慮
      • 判断過程審査。
      • 市長は他人名義営業は法的保護に値しないと考えているが、職探しは難しい、トラブルもなかった、配偶者等との均衡から保護に値する。過小評価で違法。
      • ひたすら誘導に従った。
    • 本件申合せの合理性
      • 19条各号の文言と趣旨からそれぞれ合理的。一律加点の幅も20%にすぎないから新規参入者との関係でも不当ではない。
      • ひたすら誘導に従った。
    • 手続的瑕疵
      • 手続は手段的なものだが、制度の根幹・信頼に関わる手続の瑕疵は直ちに違法事由となる。
      • わざわざ合議体の委員会を設置して推薦をさせているのは、中立・公正を確保するものだから、市長は、それが合理性を欠くことが明白などの特段の事情がない限り、それを尊重すべき義務がある。この仕組は制度の根幹・信頼に関わる。
      • 群馬中央バス事件だなとは思ったけど、内容は思い出せなかった。制度の根幹・信頼は調査官解説のワード。調査官解説の該当箇所は手続的瑕疵の一般論として参照されることが多いので覚えていたが、肝心の判決をよく読んでおらず、「運輸審議会陸運局とは違うんだよな」くらいの認識しかなかった。学術会議っぽいなとか思いながら書いた。
      • 判決を見たところ、前提として「処分行政庁が,諮問機関の決定(答申)を慎重に検討し,これに十分な考慮を払い,特段の合理的な理由のないかぎりこれに反する処分をしないように要求することにより,当該行政処分の客観的な適正妥当と公正を担保する」と述べており、それっぽいことは書いたので加点してほしい。

 

民法

  • 設問1
    • 主張ア=正当
      • 所有権取得:即時取得
      • 借り受け:前主から借り受けた。契約上の地位の移転が合意されたと解釈できる。
    • 主張イ=不当
      • 占有代理人は占有改定における直接占有者と異なりインフォメーションセンターを期待できる、倉庫業者等に預けたまま取引するのは一般化していて取引コストを引き上げる。
    • 主張ウ=正当
      • 盗品だから。
    • 請求1=認められる
    • 請求2=認められない
      • 所有権は被害者に留保されるが、果実取得権(使用収益権)は占有者にある。
    • 唯一ちゃんと書けた気がする。
  • 設問2
    • 小問1
      • 業務に裁量性があり、成功報酬は結果保証ではないので、準委任。
      • Eの債務は合格させるために出張講座を行うこと。
      • 準委任以外ありうるのかと思っていたため、かなり薄くなってしまった。請負と書く人が一定数いることは想定できたはずで、成功報酬といっても資格試験合格の性質上Eの努力のみによって左右できるものではないから結果保証がされたとは考えがたい、といった記述はすべきだった。
    • 小問2
      • 請求3
        • 委任事務の履行がない?
        • 裁量性があるから要求に応じなくても不履行とはいえない。
      • 請求4
        • 随意解除?
        • 診療契約や訴訟委任契約と異なり、生命・身体等の重要な法益や、権利義務を直接に左右するような業務を内容とするものではなく、通常の取引だから、それによって損害賠償を免れることはできない。
        • 専念するため他の依頼を受けない、代替講師手配、これらをAに伝え、Aはこれを受け入れていたことから、120万円は予見可能な損害。
        • ただし15万円は非両立の利益だから控除する。
        • 105万円の限度で認められる。
    • 今だに出題趣旨がわからない。丸ごと飛ばした。40万円部分とか、何も評価を加えられていない。
  • 設問3
    • 小問1
      • 分別の利益があるから債務は250万。
      • 主債務者の抗弁の援用で50万は履行拒絶できる。
      • 連帯保証だけど保証人間の連帯特約があるわけではないから分別の利益があるだろうと考えてしまったが、連帯保証だと分別の利益はないという判例があるらしい。普通に考えて、資力不安から追加したのだからそうだし、そこから黙示の連帯特約があると解釈することもできた。丸ごと飛ばした。
    • 小問2
      • 対A
        • 250万は保証債務の弁済、50万は非債弁済。免除は他の債務者にも効力を及ぼす意思があるなら絶対効だが、そうでないから相対効。
        • 250万は無委託保証人の求償権に基づいて求償できる。
        • 50万は善意者に対する不当利得返還請求権に基づいて求償できる。
      • 対G
        • 250万は弁済による代位により125万円について保証債務履行請求権に基づいて請求できる。
        • 50万は善意者に対する不当利得返還請求権に基づいて求償できる。
      • 免除の判例を思い出した段階で連帯債務じゃないかと疑うべきだった。時効もなぜか気づけなかった。焦りによる思考の制約は怖い)。

 

商法

  • 設問1
    • 間接利益相反。該当するが善意無過失なので主張できない。
    • 多額の借財。該当するが善意無過失なので主張できない。
  • 設問2
    • 実質的な出捐者。Cの貯金で賄ったからC。その後の取扱いは、その認識がAC間で共有されていたことを推認させ、その評価を補強する。
  • 設問3
    • Gに議決権を行使させなかったこと
      • 定めは正当な目的・相当な程度。
      • Gに適用するのは、①子と孫の対立に関わりたくないというのは合理的、②他に撹乱しようという意図はない、③閉鎖会社で他に依頼できる株主はいない(丙社はどっちかに肩入れするかもしれないし、そもそも一人で結論を決められる株主が現れることになって対立の状況を一変させてしまい本末転倒)、④弁護士は懲戒制度で規律されていることから、実質的に議決権行使の機会を奪うもので、相当な程度を超える。
    • Fの議決権行使
      • 代表取締役の代表権制限は善意だから対抗できない。
      • 代表権濫用。Cは自ら持ちかけているし、大企業だから何らかの内規があるのが通常で、知りえた。
    • よくわからなかった。とりあえず代表権制限について書いた上で、善意ではある一方、過失判断に持ち込めば違法事由と構成できると思い(典型的な上場会社で、内部的な制限があることは容易に想定できるから、調べることくらいすべきだろう)、適当な構成を探し、代理権濫用とした。

 

民事訴訟

  • 設問1
    • 課題1
      • 全部棄却判決。正当な理由がないことに帰するから。
      • 処分権主義の趣旨→意思に反しなければよい。特段の意思が示されていない場合には「格段の相違ない範囲」だが、それがある場合には「格段の相違ない範囲」を超えても、意思に反しない限り違法とならない。引換給付は強制執行開始要件に過ぎず、そこまでの額を払ってまで引渡しを受けようとは思わないのであれば、行使しないこともでき、原告の不利益は小さい。被告に不利益はない。
      • 今だに出題趣旨がよくわからない。再訴可能性=既判力とかはあんまり考えなかったけど、考えるべきだったと思う。
    • 課題2
      • できる。あくまで請求は明渡し。一部自認の債務不存在確認訴訟で「〜を超えて」と判決してはいけないこととの整合性が問題となるが、既判力が生じない。被告の不利益も、他の要素から正当事由が認められ、申出額の満額と引換給付とする必要はないような場合を考えれば、不意打ちではない。
      • よくわからない。
  • 設問2
    • 依存関係説で書いた。
    • 「紛争の主体たる地位」の判決は浮かんだものの、よく思い出せなくてスルーしてしまった。焦っていると判断能力が下がる。
  • 設問3
    • 課題1
      • 最終期日だから時機後れ。
      • 今後通帳の書証、近隣の相場の書証、Bの証人尋問などが考えられ、訴訟の簡潔を遅延させる。
      • 重過失:①重要性や更新に関連することを知っていた、②1500万円は多額、③通帳だから信用性が高いから、提出すべきことは容易に認識でき、そうしなかったのは重過失。
      • 却下決定を容易にする訴訟行為:理由の説明の求め。
      • 「Yに対してすることができる訴訟法上の行為」がわからなくてかなり焦った。「裁判所に対して」ではないので申立てではないし、単なる主張であればわざわざ「訴訟法上の行為」などと言うだろうかと思いながらいろいろ探して、そういえば弁論準備を経ているので何かあるのでは?と思って見つけた。
    • 課題2
      • X側:①手伝ってたんだから知ってるでしょ、②最終期日指定直後だから執行妨害目的が窺われ、新主張も同様と考えられる。
      • Z側:②通帳はセンシティブだし、X自身証拠としての価値に気づいてなかったのだから知り得ない、②本人訴訟等で体調を崩したためで執行妨害目的ではない、③Zとしてはできる限り迅速に対処した、④Xは本人訴訟だったから多少稚拙でもやむをえず、Zは弁護士に委任しておりより合理的な主張ができるのでその機会が与えられるべき、⑤信用性が高く、結論を左右しうる重要な証拠、⑥Xは自ら訴訟承継を申し立てており、訴訟物自体の移転である以上何らかの新主張は考えられ、少なくとも重要な証拠についての審理に付き合わされても不当ではない。

 

刑法

  • 設問1
      • 強盗罪=不成立
        • 財物奪取に向けられていない。
      • 窃盗罪=成立
        • 乙が占有者なら乙に業務上横領が成立し、65条1項、2項で甲には単純横領罪。
        • 占有なし。店内で取り扱う権限があったにすぎない。
      • 暴行罪=不成立
        • 同意による違法性阻却?
        • 判例の事案とは危険性が全く異なり、不当な目的・動機を考慮してもなお同意の効果が認められる。
      • 甲との共同正犯による窃盗罪=成立
        • 共謀共同正犯。
        • 強盗だと思っているが抽象的錯誤で窃盗。
      • 背任罪成立の可能性は終わってから気づいた。確かに銀行員が不正融資に協力する場面(会社法で出てくる銀行取締役の善管注意義務は、拓殖銀行の特別背任事件)と似ている気がする。
      • 甲との関係
        • 共同正犯による窃盗罪=成立
      • 乙との関係
        • 窃盗罪の共同正犯=不成立
          • 順次共謀かつ片面的共同正犯の問題。前者は認められるが後者は認められない(意思連絡要件)。
        • 窃盗罪の幇助犯=不成立
          • 甲の行為を促進しているが、乙の行為を促進していない。
          • 甲の行為は60条により乙のものとみなされるが、それは一部実行全部責任が認められるというだけのことで、幇助犯の範囲を拡張するものではない。
      • 盗品保管。知情後は成立。業務上横領だと思っているが具体的事実の錯誤。
  • 設問2
    • 小問1(2つの論拠はAND)
      • 共同正犯が成立しない。
        • 押さえておく役割で積極的な加害は予定されていない、甲も驚くほどの勢い、共謀者だった甲すらも殴り気絶させそのことを認識している、警察に話させないという独自の動機に基づいているから、射程外(基づく実行ではない)。
      • 207条(同時傷害の特例)の適用はない。
        • 頭部裂傷と顔面打撲等は同一の機会に生じたから一つの傷害。207条は誰も責任を負わない不都合を回避するものだが、その一部(顔面打撲等)につき丙が責任を負う以上、207条の適用はない。
    • 小問2(2つの論拠はOR)
      • 共同正犯が成立する。
        • 因果性の除去によって判断すべき。嫌がる乙を説得して暴行に参加させたのは甲で、決定的なきっかけを与えているから、上記の事情を考慮してもなお因果性が除去されていない。
      • 同時傷害の特例の適用がある。
        • 部位の危険度、距離などを考慮すると一つの傷害とはいえない。顔面打撲等について、誰も責任を負わないという207条の典型的状況が生じているから、207条の適用がある。

 

刑事訴訟法

  • 設問1
    • 共通
      • 差押えは、①関連性、②「差し押さえるべき物」該当性、③必要性。
    • 差押え1
      • 専ら別件の証拠とする目的ならば違法。
      • 本件に関連し(甲の発言は調書化されていないが考慮を妨げない)、かつ、専ら別件利用目的もないから、適法。
    • 差押え2
      • 関連性はその場で確認すべきだが、蓋然性があり、かつ、破壊されるなどの特段の事情がある場合には適法。
      • 蓋然性あり:USBメモリに入っているとの情報あり。プリントされたメモがあるからどこかにオリジナルデータがあるはず。初期化・暗号化が容易なフラッシュメモリに入れることは一定の合理性。
      • 特段の事情あり:初期化プログラムとの情報あり。初期化プログラムをセットすることは容易で、重要情報だから合理性。申し出ているが初期化プログラムを発動させるためかも。
  • 設問2
    • 小問1
      • 非伝聞。作成者の意識を述べたものだから。
    • 小問2
      • 伝聞。作成者の意識を述べたものだが、それは乙に由来し、乙に由来することを証明するために用いられているから。
      • 321条1項3号該当性。
        • 供述不能。同程度に固定的であればよい。一貫して拒絶しているし、それには合理的理由があるから満たす。
        • 不可欠性。甲が強固に拒絶し、乙も全面的に否認しており、メモ1のような代替証拠もなく、共謀共同正犯で物的証拠も考え難く、連絡に使われていそうな携帯電話も未発見だから満たす。
        • 特信性。原則として状況だが、補充的に内容を考慮してもよい。鍵をした引き出しの手帳から見つかっていること(自己使用目的で虚偽を記入するとは考えがたい)、実際の犯行状況と細部まで一致するから満たす。
        • 証拠能力あり。