今週のメモ(2020.8.30-9.5)

弁護側の有罪主張/24時間営業・ドミナント出店と独占禁止法(欺瞞的顧客誘引・優越的地位の濫用)/コンプレックスを露骨に表現した広告(Yahoo! Japan広告)/準強制性交等/デジタル庁

 

一審無罪も「弁護側」が有罪主張へ 前橋の女子高生死傷事故|社会・話題|上毛新聞ニュース

  • 前橋市北代田町の県道で2018年1月、乗用車で女子高校生2人をはねて死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた男(87)=同市=について、弁護側は控訴審で「被告には一定の責任がある」と、一転して有罪判決を求める方針を固めたことが31日、関係者への取材で分かった。今年3月の一審前橋地裁判決では無罪が言い渡され、検察側が不服として控訴していた。異例の展開を迎える東京高裁での控訴審の初公判は10月6日に開かれる。」
  • 「一審は国選弁護人が付き無罪を主張していたが、二審に向けて別の私選弁護人を立て、有罪判決を訴える方針に転換する。現在の弁護人らによると、控訴審では、検察側が主張する「事故の予見可能性があった」といった点など一審での起訴内容を全面的に認める方針。女子高校生2人を死傷させる重大な結果をもたらしたことからも「被告は一定の責任を負うべきである」と訴えていく。男の家族は一審から有罪判決を望んでおり、男自身が罪を償うべきだと考えているという。」
  • 「一審で検察側は、男がめまいなどの症状で医師に生活上の注意を受けたり、物損事故を複数回起こして家族から運転を控えるよう注意されていたりしたと指摘。責任能力もあり、「正常な運転が困難だと予見するのは十分可能だった」と訴えてきた。これに対して一審で弁護側は、主治医から運転に関する注意はなかったと説明。起訴前の精神鑑定の結果を支持し、心神喪失状態のため責任能力はないとして無罪を主張していた。」
  • 最善弁護義務違反では?
  • 弁護士職務基本規程46条「弁護士は、被疑者及び被告人の防御権が保障されていることにかんがみ、その権利及び利益を擁護するため、最善の弁護活動に努める。」
  • 一審は国選、二審は控訴審であること、家族が事故前に運転を控えるように言っており、一審から有罪判決を望んでいること、心神喪失の可能性がある事案であることから、資金提供者は家族であり、弁護人はクライアント=被疑者ではなく家族の意向に従った弁護活動をしている可能性がある。
  • なお、検察が控訴しているので、二審弁護人を解任して控訴を取り下げても、控訴事件の係属が消滅することはない。
  • 一般にクライアント以外の者が資金提供者となる場合(典型的には家族だが、クラウドファンディングなども含む)、資金提供者とクライアントの利益相反の可能性が生じる。

 

コンビニ24時間強制は「独禁法違反」 公取委が改善要請 :日本経済新聞

  • 報道
    • 公正取引委員会は2日、コンビニエンスストア本部が加盟店に24時間営業を強制することは独占禁止法違反になりうるとの見解を示した。人手不足が深刻化し、労働環境が悪化したことを踏まえ、持続可能な事業モデルへの転換を促した。周辺への出店を巡る加盟店との約束の順守も求めるなど、本部の優越的地位の乱用を幅広くけん制する姿勢を打ち出した。」
  • 概要
  • コンビニに関するこれまでの取り組み
  • 報告書の内容
    • 概ねガイドラインの確認とその実態の調査だが、「最近の諸論点」として年中無休・24時間営業とドミナント出店を取り上げ、次のように新たな解釈を示している。欺瞞的誘引*と優越的地位の濫用(優越的地位の濫用の文脈)。
    • *一般指定8項「自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について、実際のもの又は競争者に係るものよりも著しく優良又は有利であると顧客に誤認させることにより、競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引すること。」(不公正な取引方法(昭和五十七年六月十八日公正取引委員会告示第十五号):公正取引委員会)。今回であればフランチャイジーとなろうとする者が顧客。ちなみに景品表示法はもともとこの特例法。
    • 年中無休・24時間営業関係(報告書150頁)
      • 「年中無休・24時間営業を行うことに顧客のニーズがある場合もあり,これを条件としてフランチャイズ契約を締結することについては,第三者に対するチェーンの統一イメージを確保する等の目的で行われており,加盟者募集の段階で十分な説明がなされている場合には,直ちに独占禁止法上問題となるわけではない。」
      • 「しかしながら,本部が,加盟者の募集に当たり,年中無休・24時間営業に関する重要な事項について,十分な開示を行わず,又は虚偽若しくは誇大な開示を行い,これらにより,実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良又は有利であると誤認させ,競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引する場合には,不公正な取引方法の一般指定の第8項(ぎまん的顧客誘引)に該当し得る。また,本部と加盟店とで合意すれば時短営業への移行が認められることになっているにもかかわらず,本部がその地位を利用して協議を一方的に拒絶し,加盟者に正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には優越的地位の濫用に該当し得る。」
    • ドミナント出店*関係(報告書187頁)
      *「チェーンの認知度の向上や物流の効率化等を目的として一定のエリアに集中して出店を行う…出店方法」と定義されている(報告書190頁)。
      • 「一般論として,本部がどのような場所に新しい店舗を出店するかは原則として自由であり(テリトリー権が設定されている場合を除く。),既に加盟者が出店している店舗の周辺に,新たに店舗を出店すること自体は,直ちに独占禁止法上の問題となるものではない。」
      • 欺瞞的顧客誘引関係:「しかしながら,本部が,加盟者募集時の説明において,フランチャイズガイドライン2⑵ア⑧に記載されている内容,すなわち「加盟後,加盟者の店舗の周辺の地域に,同一又はそれに類似した業種を営む店舗を本部が自ら営業すること又は他の加盟者に営業させることができるか否かに関する契約上の条項の有無及びその内容並びにこのような営業が実施される計画の有無及びその内容」について十分な開示を行わず,又は虚偽若しくは誇大な開示を行うことにより,実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良又は有利であると誤認させ,競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引する場合には,不公正な取引方法の一般指定の第8項(ぎまん的顧客誘引)に該当し得る。」
        「また,加盟店募集時の説明において,周辺地域への追加出店について,実際には配慮するつもりがないのに「配慮する」と説明することにより,実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良又は有利であると誤認させ,競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引する場合にも,不公正な取引方法の一般指定の第8項(ぎまん的顧客誘引)に該当し得る。」
      • 優越的地位の濫用関係:「次に,加盟契約において加盟者にテリトリー権が設定されているにもかかわらず,本部がその地位を利用してこれを反故にし,テリトリー圏内に同一又はそれに類似した業種を営む店舗を本部が自ら又は他の加盟者に営業させることにより,加盟者に対して正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には優越的地位の濫用に該当し得る。」
        「また,加盟契約において周辺地域への出店時には本部が「配慮する」と定めた上で,加盟前の説明において,何らかの支援を行うことや一定の圏内には出店しないと約束しているにもかかわらず,本部がその地位を利用してこれを反故にし,一切の支援等を行わなかったり,一方的な出店を行ったりすることにより,加盟者に対して正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合にも優越的地位の濫用に該当し得る。これらの問題を未然に防止する観点からは,加盟前にフランチャイズガイドライン2⑵ア⑧記載の内容が的確に開示されることに加え,加盟契約において周辺地域への出店時には「配慮する」旨を定める場合には,その具体的内容についてあらかじめ加盟希望者に開示しておくことが重要である。」

 

ヤフー、「コンプレックスを露骨に表現した」広告禁止を改めて通知 「差別を助長する」 - ITmedia NEWS

 

男性8人に睡眠薬飲ませ性的暴行か 元中学教諭を逮捕:朝日新聞デジタル

  • SNSで知り合った男性8人に睡眠薬入りの酒を飲ませ、性的暴行を加えたとして、大阪府警は3日、大阪市立中学の元教諭、北條隆弘容疑者(42)=同市住吉区、7月に懲戒免職=を準強制性交等や準強制わいせつの疑いで逮捕したと発表した。府警は認否を明らかにしていない。住吉署によると、北條容疑者は2017年3月から19年3月にかけて、府内の20~40代の男性8人に睡眠薬を混ぜた酒を飲ませて抵抗できない状態にし、自宅で性的暴行やわいせつな行為をした疑いがある。男性らは「教材用にスーツ姿の写真を撮るので、モデルになってほしい」などと誘われていたという。」
  • 平成29年刑法改正で加重類型(改正前の準強姦、改正後の準強制性交等)に含まれるようになった類型。
  • 平成29年と保護法益の関係については、強制性交等罪の保護法益

 

菅氏、デジタル庁創設検討 黒田日銀総裁の手腕「評価」 :日本経済新聞

  • 新型コロナウイルスへの対応で遅れが明らかになったデジタル行政を加速するため「デジタル庁」…の創設を検討すると明言した。」「菅氏はデジタル庁設置を「最優先課題」と位置づける。安倍政権は官邸主導で「安倍1強」といわれたが、新型コロナ対策はデジタル行政の目詰まりに直面し政権支持率を下げる要因となった。」
  • 「背景にはIT(情報技術)行政の担当が内閣府経済産業省総務省などに分かれ、官邸が指示しても迅速な対応が難しかった事情がある。雇用調整助成金のオンライン申請などあちこちで不具合が続出した。医療や教育でもオンライン化の遅れが目立ち、日本はIT後進国ぶりを露呈した。日本の労働生産性は主要7カ国(G7)中、最低が続く。少子高齢化に拍車がかかる日本が今後も成長を続けるには、生産性の向上は避けて通れない道となる。行政機関のデジタル化の遅れを放置すれば、社会全体の足を引っ張り、民間の成長の制約要因となりかねない。米中がデジタル覇権を争う世界からも大きく劣後する。菅氏は「デジタル関係の政策全般を責任をもってみる所が必要になる」と説明した。「必要な法改正も視野に入れる。ありとあらゆる分野を集約したい」とも述べた。デジタル庁は各省にまたがるデジタル部局を集約する。予算も一括計上でき、各省のシステム規格も統一しやすくなる。」
  • 全く正しい方向性だと思うが、同時に、政府の信頼性の修復とプライバシーの保護にも努めてほしい。国民が政府を信頼できないとき、国民はプライバシーを強く主張しなければならず、政府に多くのデータを預けることができず、結局それは政府や経済活動の非効率という形で国民の不利益になる(もちろん不勉強に基づく不安感でデータ化を阻害しようとする国民が悪い面もあるが、それは国民の自己責任だろう。そんな人たちと一緒の船に乗っていたい気はしないけど)。