今週のメモ(2020.8.23-8.29)

代理出産Instagramと(Facebook) Messengerの統合/岡口判事戒告/Facebook vs タイ政府/日傘/みずほ証券誤発注/I型糖尿病の7歳児へのインスリン不投与の間接正犯・共同正犯/次期iOSのトラッキング広告制限/「京都芸術大学」名称使用差止め(棄却)/TAKAHIRO MIYASHITA The Solist. の商標登録拒絶/Epic仮処分/「ウイルスシャットアウト」措置命令

 

世界の「赤ちゃんオンラインストア」 ウクライナ、代理出産が盛況 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News

  • ウクライナ代理出産業界は、ビエスさんのように子どもを望む何千もの人々に希望を与えてきた。だが、大勢の夢がかなった裏には、困窮した若い女性を利用し、虐待の温床となるグレーゾーンで操業する収益性の高い不透明なビジネスが存在する。「ウクライナ代理出産業界は2000年代初頭から存在していたが、インドとタイが約5年前に外国人向けの商業的な代理出産を禁止してから、需要が爆発的に増加した。旧ソビエト連邦の構成国だった欧州貧困国の一つウクライナは、代理母による出産費用が約4万2000ドル(約440万円)と魅力的なことで知られている。米国では倍以上の費用が掛かる。」
  • 「公式統計は存在しないものの、専門家によるとウクライナでは毎年2500~3000人の外国人の赤ちゃんが、代理出産で生まれている。顧客の約3割が中国人だ。 生殖問題を専門に扱う法律事務所を運営するセルゲイ・アントノフ(Sergiy Antonov)氏は、代理出産業界は規制が不十分で虐待や汚職がはびこっていると指摘する。 約束された金額が支払われなかったり、妊娠後期に劣悪な環境の住宅に住まわされたりすることがしばしばある。また、代理母によって生まれた赤ちゃんが、外国人の親とは生物学的なつながりがないことが発覚したこともあるという。当局はまた、一部の診療所が代理出産を商業的な養子縁組の隠れみのに利用していると疑っている。」
  • 日本では、日本産婦人科学会の自主規制として、代理出産(代理懐胎)は行ってはならないものとされている(代理懐胎に関する見解|公益社団法人 日本産科婦人科学会)。理由として、①生まれてくる子の福祉を最優先するべきであること、②代理懐胎は身体的危険性・精神的負担を伴うこと、③家族関係を複雑こと、④代理懐胎契約は倫理的に社会全体が許容していると認められないことが挙げられている。
  • 法制度は未整備であり、外国で代理出産をしてもらった場合、誰が親になるのかについて混乱が生じている。ネバダ州で代理出産ネバダ州裁判所から実親子関係を確認する裁判をもらう→品川区長に前記証明書を添付して嫡出子として出生届→不受理→裁判所に異議申立て、という事件で、最高裁は、上記ネバダ州裁判所の裁判は日本の公序に反し承認できず、日本の民法に従うと実子とはいえないとして、異議を認めなかったことがある(最決平成19年3月23日民集61巻2号619頁)。
  • 臓器移植と似た問題だけど、ほんとうに分からない。
  • ちなみにSergii Antonov氏について:Sergii Antonov

 

伊藤忠のファミマTOB成立、王者セブンに勝つ術はあるか (1/3) - ITmedia ビジネスオンライン

  • 既に書いたので紹介だけ。

 

InstagramとMessengerが統合へ WhatsAppからは不満の声?|Real Sound|リアルサウンド テック

  • 「昨年頭から噂されていたFacebookの所有する三大SNSFacebook Messenger, WhatsAppそしてInstagramのダイレクトメッセージ機能を統合するという案が、今月大きく動き始めた。これらの三つのサービスを合わせると現在、全世界40億人もの月間アクティブユーザーをカバーしており、統合が遂行されれば世界最大のメッセージプラットフォームとなるだろう。」
  • 「しかしこれらの統合に、あちこちから不満の声もある。上記にもあったように、すでにFacebook本社の干渉から逃げるようにして、アプリの創設者たちがいなくなったのと同時に、Facebookはそれぞれのアプリに以前より頻繁に提案などが多くなった。WhatsAppは現在統合されようとしているSNSの中で、唯一デフォルトでエンドツーエンド暗号化(E2E暗号化)を適用しているサービスで、最低限のユーザーデータの保有とメッセージデータの放棄に努めている。プライバシーやデータへの不正アクセスが問題になり、プライバシーの持つ価値というのは年々高まっている中で、WhatsAppは一般アクセスの多いメッセージアプリの中でもプライバシーを重視している。他のアプリと統合されることでWhatsAppの特徴であり、売りでもあるセキュリティという要素が削がれることになるのかもしれないという懸念が、多くの従業員からあがっている。これらの統合は、Facebookの実名登録のアプローチとInstagramの匿名性、WhatsAppの軸であるセキュリティ機能に大きな影響を与えることになるだろう。これらのアプリが別々に存在しているのには、それぞれのアプリの特徴をユーザー側が使い分ける選択肢を提供するためにある。それを無くそうとしているFacebook本社の動きは、私たちの選ぶ権利をも奪ってしまうのではないだろうか。」
  • 太字にした部分は競争法上問題となりうる。FTC(USの競争法当局)は、昨年差止訴訟の提起を検討していることが報道されていた(FTC may block Facebook's integration plans for WhatsApp and Instagram | Engadget)。

 

岡口判事を戒告 懲戒、異例の2度目―FBに不適切投稿・最高裁:時事ドットコム

  • 「決定などによると、岡口判事は19年11月12日、自身のFBに、東京都江戸川区で高校3年岩瀬加奈さん=当時(17)=が殺害された事件について投稿。遺族が同判事を国会の裁判官訴追委員会に訴追請求したことに触れ、「遺族は俺を非難するよう洗脳された」などと書き込んだ。決定は「遺族をさらに傷つけ、副次的な被害を拡大させた。被害者の心情を理解できない裁判官ではないかとの疑念を広く抱かせた」と指摘。判事側は「訴追請求に対する自らの見解の表現行為」などと反論したが、大法廷は「遺族を侮辱する表現は許されない」と退けた。」
  • ちなみに初回の懲戒は「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に、無惨にも殺されてしまった17歳の女性」。
  • 個人的には1回目のツイートで懲戒する必要はないと思う一方、今回のものは懲戒に値すると思う…

 

王室批判団体のアクセス遮断 タイ政府が圧力、法的措置へ―米FB:時事ドットコム

  • 「米フェイスブック(FB)は25日、タイ政府の要請を受け、王室に批判的なグループへのアクセスをタイ国内で遮断したことを明らかにした。FBは「政府から圧力を受け、遮断を余儀なくされた」と非難。このような要請は「国際人権法に反する」として、法的措置に訴える方針を表明した。このグループは、タイの王室や軍主導の政権を批判し、国外に逃れている京都大学のパビン准教授が管理する「ロイヤリスト・マーケットプレース」。4月に立ち上げ、100万人以上が参加している。タイには不敬罪やコンピューター犯罪法が存在し、王室批判はインターネットでも厳しく規制されている。プラユット首相は「国内法は順守しなければならない」と強調した。タイで続く反政府集会では、王室改革を求める声も上がっている。」
  • いきなり国際人権法を持ち出すというのはどういうことだろうか(もしかしてタイにはフランス第五共和国憲法みたいに人権規定がないのか)と思ったが、あるらしい(2007年タイ王国憲法(日本貿易振興機構(ジェトロ) バンコクセンター編))。実際にはそれも併せて主張してるのかも。
  • 今回の抗議行動について:タイ「反政府デモ」若者たちが求めていること | The New York Times | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

News Up 子どもが日傘で学校、ダメ? | 熱中症 | NHKニュース

  • 「理由は2つ。1つ目は、傘を使用してはいない子どもに傘がぶつかるとケガにつながりかねないということ。2つ目は、低学年は傘で手がふさがると危険だということだったと言います。」
  • そういう危険性よりも熱中症のほうが、はるかに深刻な事態に繋がりやすく、かつ、頻度が高い。そういう比較衡量というのは、学校関係者にとっては極めて困難な思考なのだろうが。

 

みずほ証券、構造計画株の取引で誤発注 :日本経済新聞

  • 「25日の寄り付きの株価をもとに計算すると、売買金額は5500万円強とみられる。」「みずほ証券は「誤発注分についてはみずほ証券が引き取り処理する対応をとっているため、顧客に損失等は発生していない」と説明している。
  • 誤発注といえば…的な。

 

糖尿病男児にインスリン投与させず 最高裁が殺人と認定:朝日新聞デジタル

  • 「栃木県で2015年4月、治療と称して1型糖尿病を患う男児(当時7)にインスリンを投与させず衰弱死させたとして、殺人罪に問われた建設業近藤弘治(ひろじ)被告(65)=同県下野(しもつけ)市=の上告審で、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は被告側の上告を退けた。」。第一小法廷ではない。
  • 判決:裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan
    • 「上記認定事実によれば,被告人は,生命維持のためにインスリンの投与が必要な1型糖尿病にり患している幼年の被害者の治療をその両親から依頼され,インスリンを投与しなければ被害者が死亡する現実的な危険性があることを認識しながら,医学的根拠もないのに,自身を信頼して指示に従っている母親に対し,インスリンは毒であり,被告人の指導に従わなければ被害者は助からないなどとして,被害者にインスリンを投与しないよう脅しめいた文言を交えた執ようかつ強度の働きかけを行い,父親に対しても,母親を介して被害者へのインスリンの不投与を指示し,両親をして,被害者へのインスリンの投与をさせず,その結果,被害者が死亡するに至ったものである。
      【間接正犯としての単独の実行行為】【母親が道具であったこと=客観的な利用・支配】母親は,被害者が難治性疾患の1型糖尿病にり患したことに強い精神的衝撃を受けていたところ,被告人による上記のような働きかけを受け,被害者を何とか完治させたいとの必死な思いとあいまって,被害者の生命を救い,1型糖尿病を完治させるためには,インスリンの不投与等の被告人の指導に従う以外にないと一途に考えるなどして,本件当時,被害者へのインスリンの投与という期待された作為に出ることができない精神状態に陥っていたものであり,
      【客観的な利用・支配の認識】被告人もこれを認識していたと認められる。
      【ここまでが間接正犯としての単独の実行行為】
      【ここからは共同正犯;父親は道具にまではなっていないので、その不作為が共謀に基づくものと言えなければ=母親の間接正犯だけでは因果関係不明になってしまう?】
      【共謀】また,被告人は,被告人の治療法に半信半疑の状態ながらこれに従っていた父親との間で,母親を介し,被害者へのインスリンの不投与について相互に意思を通じていたものと認められる。【共謀に基づく実行=不作為は明らかなので書かれていない】
    • 「以上のような本件の事実関係に照らすと,被告人は,未必的な殺意をもって,母親を道具として利用するとともに,不保護の故意のある父親と共謀の上,被害者の生命維持に必要なインスリンを投与せず,被害者を死亡させたものと認められ,被告人には殺人罪が成立する。」

 

アップル、ネット広告に制限 次期OSで個人情報保護強化 (写真=ロイター) :日本経済新聞

  •  「消費者のプライバシー保護を強化する米アップルが「iPhone」上のターゲティング広告の仕組みに切り込む。今秋に提供を始める最新基本ソフト(OS)「iOS14」では、端末情報の広告向け利用を制限する。ユーザーの属性や関心にあわせて広告を打つことが難しくなり、米フェイスブックをはじめとする世界のネット広告業界には大きな影響を及ぼしそうだ。」
  • 「アップルはアプリ広告用の端末識別子「IDFA」の取得ルールをiOS14では厳しくする方針を打ち出した。同識別子は端末ごとに割り振られた固有の文字列で、フェイスブックなどのネット広告企業はこれを使ってアプリ向けにターゲティング広告を配信する。現行のiOS13までは利用者がデータ提供を拒む設定にしない限り、ネット広告企業側は端末情報を利用できた。iOS14以降はアプリごとに利用者にデータを使ってもよいか同意を求める方針で、広告企業側が端末情報を取得できる割合は大幅に下がると見込まれている。」
  • フェイスブックは外部事業者のアプリ内の広告枠に、自社のターゲティング広告を配信する独自サービスを手がける。アップルの端末識別子については、利用者の追跡などに活用。同サービスには世界で1万9千以上のアプリ開発者が広告枠を提供しており、2019年の1年間で同機能を介して支払われた金額は数十億ドルに上るという。アップルの新たな方針によって、異なるアプリの間のデータ連携は難しくなる。ターゲティング広告の精度は大きく落ちる見通しだ。」
  • 「アップルはプライバシーを「基本的人権」と位置づけ、個人データを誰と共有するかは消費者が自ら決めるべきだという立場を取る。自社のネット閲覧ソフト「サファリ」ではネットの閲覧履歴などを保存する「クッキー」と呼ぶ仕組みのネット広告への利用を制限したほか、人工知能(AI)を使って外部企業によるデータ収集を難しくする取り組みも始めている。」
  • 「アップルはアプリ配信や課金の仕組みをめぐっても「反競争的だ」と主張する米エピックゲームズからの訴訟に直面している。ここでもアップルは「消費者の安全を守るため」との理由で自社以外のアプリ配信や課金システムを認めていない。排他的とも受け取られかねないアップルの姿勢は、多くの摩擦や対立を生じさせている。」
  • Appleの「個人データを誰と共有するかは消費者が自ら決めるべき」という主張は、プライバシーの理解として全く正しいと思う。確か山本龍彦先生がどこかに書かれていた気がするが、プライバシーは排他的支配権ではなく、一定の情報を誰に開示するかを自ら決定する権利である。
  • Epicの件は関係ないだろう。Appleは広告に関わっていない(実はかつてiAdというサービスをやっていたんだけど…)。

 

「京都芸術大学」の名称使用認める判決 校名変更問題、京都市立芸大側が敗訴 地裁「京芸略称、著名と言えず」|社会|地域のニュース|京都新聞

  • 「京都造形芸術大から校名変更した「京都芸術大学」(京都市左京区)を運営する学校法人瓜生山学園に対し、京都市立芸術大(西京区)が名称の使用差し止めを求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であり、杉浦正樹裁判長は市立芸大側の訴えを退けた。瓜生山学園側が「京都芸術大学」を使用することが法廷で認められた。」
  • A「裁判では、京都市立芸術大や、略称「京都芸術大」「京芸」などの知名度が争点の一つとなっていた。市立芸大側は「京都芸術大学」などの略称を用いたチラシや展覧会図録が多数有ることから「全国、世界的にも有名」と主張し、瓜生山学園側は「芸術に関心がなければ、一般の人は目にすることがない」と反論していた。判決文によると、「著名な商品表示」とは、芸術分野に関心を持つ者に限らず、全国的かつ一般的に知られている必要があるとした上で*、京都市立芸術大学側が「著名」と主張する「京都市立芸術大」や「京都芸大」「京芸」などの名称や略称は、「著名」とは言えないとした。」
    *これは特に目新しい解釈ではない。
  • B「「京都市立芸術大」と「京都芸術大」を誤認する恐れがあるかどうかも争点の一つだった。判決文は、京都市立芸術大を示す時の名称として、地図や市の広報、メディアなどでは「京都市立芸術大」が最も広く使われている一方、「京都芸術大」「京芸」などの略称については、さまざまな略称が混在していること自体「通用力が低い」と指摘した。」
  • 不正競争防止法2条1項「この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。」/1号「①他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として②需要者の間に広く認識されている〔=周知〕ものと③同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、③他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」/2号「自己の商品等表示として他人の②'著名な①'商品等表示と③'同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為」
  • 条文の構造がパラレルになっていないのでわかりにくいが(2号があとから追加された)、整理するとこう。
    • 共通:他人の商品等表示と(同一・)類似の商品等表示を使用する
    • 1号:当該他人の商品等表示の周知性(②)と、混同のおそれ(③)が必要。
    • 2号:当該他人の商品等表示の著名性(②')が必要(周知よりもっと広く知られていなければならない)。代わりに混同のおそれが必要ない
  • だいたい著名(2号)を主位的請求原因、周知(1号)を予備的請求原因として併合する。今回もおそらくそうで、上記引用部分A(著名)は主位的請求に関する判断、B(混同)は予備的請求に関する判断。ちなみにB(混同)の中で「さまざまな略称が混在していること自体「通用力が低い」と指摘した。」という記述があることから分かるとおり、周知と混同はある程度関連する(他人の商品等表示がめちゃめちゃ著名だと混同する人も増える的な)。

 

デザイナーが自らの名をブランド化する自由とその危機ーー商標法4条1項8号のあるべき解釈をめぐって 中川隆太郎|コラム | 骨董通り法律事務所 For the Arts日本でデザイナー名のブランドを商標登録するのはもう無理かもしれない(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース

  • 批判は上記2記事でなされているので、事案と何が問題になっているのかだけ書いておく。
  • ファッションデザイナーである宮下貴裕氏が、(会社を通じて)自らのブランド "TAKAHIROMIYASHITATheSoloist." について商標登録出願をしたところ(商願2017-126259, 商標出願・登録情報表示|J-PlatPat [JPP])、拒絶査定を受けたので、不服審判を申し立てたが、不成立の審決を受けたので、知財高裁に取消訴訟を提起したところ、やはり請求棄却とされた(知財高判令和2年7月29日(審決取消訴訟):裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan。合議体は2部で、裁判長は森判事)。
  • 商標法4条1項柱書「次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。」/8号「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」。
  • 商標権者は、指定商品又は指定役務*について登録商標の「使用」**をする権利を専有する(=他人の「使用」を排除できる)ところ(商標法25条)、同法4条1項8号は、同号にいう当該他人が自己の氏名を「使用」をすることは、人格的利益として保護されるべきであり、商標権者によって排除されるべきでないという趣旨に出たもの。
    *「使用」は、商標法2条3項に列挙された行為。商品又は商品の包装に標章を付する行為(1号)、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為(4号)などが挙げられており、要するに、その商標を商品・サービスの提供者を表示する態様で使用する行為である。
    **商標権による登録商標の独占は、登録時に「指定商品」・「指定役務」として指定された商品・サービスに限定されます。全く違う商品・役務について同じ名前で営業する人がいても、特に間違われたりはしないだろう、一律にそこまでの独占権を付与するのはやりすぎだろうという考え方です。
  • 実際には、同姓同名の人がいたからといって直ちに(それこそデザイナーのように)自分の名前で営業するわけではないだろう、むしろそれはレアケースだろうと思うわけですが、知財高裁としてはそれは分かった上で、じゃあ実際に出てきたらどうするのということなのだろうと思います。

 

Epic,Appleに対する差し止め命令を勝ち取るもFortniteのブロックは続く - GamesIndustry.biz Japan Edition

  • カリフォルニア州北部地区の米国地方裁判所判事Yvonne Gonzalez Rogers氏は,Fortniteが30%のアプリ内購入手数料を侵害していることを理由に,AppleEpic GamesApple Developer Programからブロックすることを差し止める判決を下した」(おそらく仮処分的なもの)

 

首下げ除菌「根拠なし」 メーカーに再発防止命令 - 産経ニュース

  • 「「首に掛けるだけで除菌」とうたい販売された携帯用の空間除菌用品について、消費者庁は28日、宣伝内容に根拠がなく、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、製造した東亜産業(東京)に再発防止命令を出した。」
  • 株式会社東亜産業に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁
    • 表示:自社ウェブサイトについて「本件商品及びその周囲に浮遊するウイルスや菌のイメージ画像並びに本件商品の容器包装の画像と共に、「緊急ウイルス対策!!」、「流行性ウィルスからあなたを守ります!」、「二酸化塩素配合の除去・除菌成分が周囲に浮遊するウイルスや菌を除去します。」、「この時期・この季節に必携!ウイルスの気になる場所でご使用ください。」、「首にかけるだけで空間のウイルスを除去!」等と、…表示することにより、あたかも、本件商品を身につければ、身の回りの空間におけるウイルスや菌を除去又は除菌する効果が得られるかのように示す表示をしていた。」(楽天市場上のページについては省略)
    • 実際:「前記アの表示について、消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、東亜産業に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。」
    • 打消し表示:自社ウェブサイトにおいて、「※使用環境によって効果が異なります。」と表示していたが、当該表示は、一般消費者が前記…表示から受ける本件商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。
  • 景品表示法の規定
    • 5条「事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。」/1号「商品又は役務の品質、規格その他の内容について一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」
    • 7条1項本文「内閣総理大臣は、…第五条の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。」/2項「内閣総理大臣は、前項の規定による命令に関し、事業者がした表示が第五条第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。」(不実証広告についての優良誤認みなし)/ちなみに内閣総理大臣の権限は消費者庁長官に委任される(33条1項)
  • やっと出たなあという感じ。