今週のメモ (2020.6.1-6.6)

渋谷警察署のクルド人制圧の件、Ufotable刑事告発、「アイヌ」の商標出願、コンビニレジ袋一律3円、個情見直し、同性パートナーと遺族給付。

 

「警官に押さえ込まれけが」 渋谷署前で200人が抗議デモ クルド人訴えに共鳴 - 毎日新聞

  • 警職法違反では?
  • それはさておき、入管法はヤバい。日本は難民認定が過度に厳格であり、多くのクルド人難民が収容施設で虐待(メディカルネグレクトを含む)されている。また、これは運用というよりは立法の問題だが、逮捕・勾留よりも長期の身体拘束について、必要性要件がなく(しかも入管は合憲限定解釈するどころか全件収容主義と公言している)、令状審査もない(入管法に基づく収容手続の合憲性)。 

 

「鬼滅の刃」制作会社を告発 1億3900万円脱税容疑―東京国税局:時事ドットコム

  • ①税務調査は税務署が行う。課税額等の認定を目的とする。任意調査だが、質問を拒否すると刑事罰が科される。②税務査察は国税局が行う。刑事責任の追及を目的とし、裁判所の令状を得て捜索差押をすることができる。ただし、逮捕はできない。これは独禁とかと同じ。査察が終了すると、刑事告発し、検察(特捜)が引き継ぐ。


中国から「アイヌ」出願 特許庁で審査待ち、批判も :日本経済新聞

  • 特許と異なり、商標は直ちに出願公開される(商標法12条の2第1項 cf. 特許法64条1項)。
  • おそらく拒絶されるのだろうが、根拠条文は商標法3条1項6号(自他識別機能なし)か?

 

コンビニレジ袋 1枚3円に 大手3社 7月1日から有料化 | NHKニュース

  • レジ袋有料化は、容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)7条の4第1項に基づく基準省令(小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令)2条を改正することで行われた(来年7月から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化がスタートします (METI/経済産業省))。
  • 主務大臣は、7条の4第1項による基準に定める事項を勘案して指導・助言をすることができ(7条の5)、事業者の取り組みがその基準に照らして著しく不十分であるときは勧告・命令をすることができる(7条の7。勧告→公表→審議会等の意見聴取→命令)。
  • 主務大臣は、環境大臣、経産大臣、財務大臣、厚労大臣、農水大臣(43条1項柱書)。ただし、7条の4の基準の策定については、対象事業者の事業を所管する大臣とされているので、基準省令は環境大臣以外の4大臣の連名。
  • 独禁法との関係については、レジ袋の利用抑制のための有料化の取組:公正取引委員会。合理的必要性の判断について、「レジ袋の利用抑制の必要性について社会的理解が進展しており,正当な目的に基づく取組であるといえること」という記述があるが、省令はこれに当たりそう。
  • レジ袋の有料化は、環境保護のために必要だけど競争上になるから共同してやる必要があって、でも自主規制だとアンフェアになりやすいから(独禁法の問題)、法律でやることに意味がある気がする(ところで有給消化も似たような話かも)。

 

第2回 個人情報保護制度の見直しに関する検討会 議事次第|内閣官房ホームページ

  • 国レベル(cf. 地方)で所管・法例を統一するとともに、医療・学術についての規律を見直す(GDPRの十分性認定のため)など。

 

同性パートナーに犯罪遺族給付認めず 名古屋地裁判決 :日本経済新聞

  • 弁護団Facebookで判決文が公開されている:同性パートナーに対する犯罪被害者等給付金の支給を求める弁護団
  • 犯罪被害者支援法(犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律)に基づく犯罪被害者等給付金の申請(10条)についての愛知県公安委員会の裁定(11条)の取消しの訴え。支給対象者は、配偶者については、「犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)」と定義されている(5条1項1号)。
  • 異性の事実婚は、本人たちがそういう選択をしているという事情が保護に対して消極的な要素となりうるが(最判平成16年11月18日判時1881号83頁参照)、同性の事実婚はそもそも国家が法律婚というオプションを用意していないのだから、そのような評価をすることはできない。
  • 本件は行政事件なので、民事事件よりは国家的関心を反映する余地があると考えられる一方(そうすべきだとは思わないが)、例えば、性別を問わず事実婚パートナーを一律に保護の対象としていない配偶者控除所得税法83条1項、2条1項33号の2)と比べると、その余地は狭いと考えられる。
  • 判決は、丁寧に社会情勢を認定した上で、「本件処分当時においては,同性間の共同生活関係に関する理解が社会一般に相当程度浸透し,差別や偏見の解消に向けた動きが進んでいるとは評価できるものの,同性間の共同生活関係を我が国における婚姻の在り方との関係でどのように位置付けるかについては,いまだ社会的な議論の途上にあり,本件処分当時の我が国において同性間の共同生活関係を婚姻関係と同視し得るとの社会通念が形成されていたということはできないというほかない。」ことから、「本件処分当時においては,同性の犯罪被害者と共同生活関係にある者が,個別具体的な事情にかかわらず,「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」(犯給法5条1項1号)に当たると認めることはできない」としている(判決文29頁)。
  • 本件処分当時において、同性間の共同生活関係に関する「差別や偏見の解消に向けた動きが進んでい」たものの「いまだ社会的な議論の途上にあ」ったという記述は、本件処分当時の社会通念が、いまだ「差別や偏見」を残したものであったことを前提としている。もちろん、社会通念を法解釈に取り込むことはあってよい。しかし、裁判所は、その社会通念が合理性を有するかどうかを審査し、それがない場合には法解釈に取り込むことを拒絶すべきなのではないか。