出入国在留管理庁の組織

出入国在留管理庁

2019年4月から、法務省入国管理局が改組され、外局として出入国在留管理庁が設置されている。

長官は、佐々木聖子氏で、東京大学文学部卒業後、行政官として法務省入国管理局に入局し、以来入国管理局・大臣官房でキャリアを積んできている(【横顔】出入国在留管理庁 初代長官、佐々木聖子(ささき・しょうこ)さん(57) 入管新制度の司令塔に - 産経ニュース)。

次長は、高嶋智光氏で、東京大学経済学部卒業後、検察官として各地方検察庁を中心に、法務省でもキャリアを積んできている。前職は人権擁護局長である(高嶋智光法務省人権擁護局長の略歴書(平成30年9月3日就任) – 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)のブログ)。

法務省の局長ポストのうち、官房長、刑事局局長、矯正局局長、保護局局長は主に検察官、民事局局長、人権擁護局局長、訟務局局長は主に裁判所からの出向者(身分は検察官となっている)が就任することが多い。これに対して、入国管理局局長には、1999年までは外交官出身者が、1999年からは検事が、2006年以降検察官2〜3人・入国管理局プロパー1人が交互に就任してきた。

なお、現在の入管業務は、戦前は内務省警保局外事課、内務省解体後は外務省(管理局入国管理部→出入国管理庁(外局化)→入国管理庁)、1952年からは法務省の内部部局としての入国管理局が扱ってきた。

 

入国者収容所・地方出入国在留管理局

入国者収容所は、出入国在留管理庁の収容施設で、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)と大村入国管理センター(長崎県大村市)が設置されている。収容所では、「収容令書又は退去強制令書により入国者収容所や地方入管局の収容場に収容されている外国人…は、保安上支障がない範囲内において、できる限りの自由が与えられ、その属する国の風俗習慣、生活様式を尊重されてい」る、と出入国在留管理庁は述べている(収容施設について(収容施設の処遇) | 出入国在留管理庁)。

地方出入国在留管理局は、出入国在留管理庁の地方支分局で、所在地・管轄は高等裁判所のそれと同じである。大量の出入国が行われる地域には、支局が置かれている:成田空港、羽田空港、横浜、中部国際空港関西空港、神戸、那覇。各地方出入国在留管理局または支局には、基本的には都道府県単位で、出張所が置かれている(組織・機構 | 出入国在留管理庁)。

 

入国警備官

入国警備官は、入国警備官採用試験で採用され、入国者収容所・地方出入国在留管理局に配置される。入国警備官は、違反調査、摘発(令状による捜索等、主任審査官が発付する収容令書による身体拘束を含む)、収容(処遇も含む)、送還(退去強制令書の執行)などを行う(法務省:入国警備官採用試験)。

入国警備官は、国家公務員法の適用との関係で警察職員とされ(61条の3の2第4項)、階級があり(同条5項)、武器の携帯・使用が認められる(61条の4)など、警察官類似の扱いがされる(イメージをつかめそうなサイトとして、法務省入国管理局に所属する入管Gメンこと入国警備官は緊急車両と銃を持つ!警察官との違いは? | POLICEMANIACS.COM)。

 

入国審査官等

入国審査官は、国家公務員採用一般職試験で採用され、入国者収容所・地方出入国在留管理局に置かれる。入国審査、在留資格審査、違反審査などを行う(入国審査官 | 出入国在留管理庁)。入国警備官が入国審査官となることはほとんどないようである。

特別審理官は、一定程度昇給した(≒経験を積んだ)入国審査官の中から、法務大臣が個別に指定する(主任審査官、特別審理官、難民調査官、意見の聴取を行わせる入国審査官及び意見の聴取を行わせる難民調査官を指定する訓令2項。主任審査官、特別審理官、難民調査官、意見の聴取を行わせる入国審査官及び意見の聴取を行わせる難民調査官を指定する訓令 - Wikisource)。退去強制手続においては、入国審査官の違反審査に不服のある容疑者が口頭審理請求をしたとき、口頭審理にあたる。

主任審査官は、入国審査官である地方入国管理局局長・次長、支局長・次長のほか、札幌入国管理局首席審査官、札幌入国管理局千歳苫小牧出張所長など、41の組織上の地位にある入国審査官が自動的に指定される(同訓令1項)。退去強制手続においては、収容令書の発布、退去強制令書の発布、仮放免許可などを行う。

 

出入国在留管理庁の手続

出入国在留管理庁が扱う手続には、以下のものがある*1

  • 出入国審査手続・在留審査手続
  • 在留管理制度に関する手続
  • 特別永住者証明書の交付に関する手続
  • 住居地の届出手続
  • 退去強制手続と出国命令制度
  • 難民の認定に関する手続

このうち、退去強制手続と出国命令制度は、「我が国に不法に入国したり、在留許可の範囲を超えて滞在するなど入管法第24条に規定する退去強制事由に該当する外国人を強制的に国外へ退去させ、我が国の安全や利益が害されるのを防ぐもの」である。