令和元年 予備試験 論文式 再現答案 実務基礎民事

(評価:B[刑事と包括])

1 設問1
(1) 小問1
 平成29年9月1日連帯保証契約に基づく保証債務履行請求権1個。
(2) 小問2
 被告は、原告に対し、200万円及び平成30年6月15日から支払済みまで年10%の割合による金員を支払え。
(3) 小問3
 ①本件貸付に係る貸金返還債務を、連帯して保障した、②合意、③本件借用証書、④9日、AはXに、本件貸付に係る貸金返還債権を200万円で売った。
(4) 小問4
 確定判決を債務名義として(民執法22条1号)、書記官に執行文の付与を申し立て(同法26条1項)、これに基づいて(同法25条)、裁判所に、強制競売(同法45条1項)または強制管理(同法92条1項)を申し立てるべきである。
2 設問1
(1) 小問1
 ①AとBは、本件貸付にあたり、貸金返還債権の譲渡を禁止する合意をした。②民法466条2項が、債権譲渡禁止特約について規定した趣旨に鑑み、債権譲渡禁止特約がされた場合には、これに反する譲渡は、物権的に無効となると解される。Xは、本件貸付に係る貸金返還債権の譲渡による移転に随伴して、保証債務履行請求権を取得したものであるから、被保証債権の譲渡が効力を生じないとき、保証債務履行請求権の移転も生じない。そして、債権譲渡禁止特約は、債権譲渡自由の原則に対する例外であり、債務者の利益のために付されるものであるから、保証債務履行請求の場面では、保証人が、主張立証責任を負うべきである。
(2) 小問2
 Bは乙絵画を所有していた。
(3) 小問3
 ①必要である。②民法482条は、「債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたとき」そしており、現実の給付を要求している。実質的にも、代物弁済は、「弁済と同一の効力を有する」すなわち債務消滅後を有するものであるから、これとの均衡上、現実の給付を要求すべきである。
3 設問3
 ①主張すべきでない。②AがBに内容証明郵便で貸金債権と遅延損害金債権を売ったことを通知することにより、これらの債権譲渡について、第三者に対する対抗要件が具備されている(民法467条2項)。そして、保証債務履行請求権は、随伴性を有するから、被保証債権の譲渡に随伴して移転するときは、独自に対抗要件の具備を要しない。したがって、Yの言い分のとおりの主張をしたとしても、主張自体失当となる。
4 設問4
 私文書は、本人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定される(民訴法228条4項)。この押印は、本人の意思に基づいて検出されたものでなければならないが、判例によれば、印章は、通常厳重に管理され、第三者が使用することができないものであるから、印影が、本人の印章によって顕出されたものであることが確定されたときには、その印影は、本人の意思に基づいて押されたものと推定される。Yは、印影が、Yの印章によることを認めているから(同法179条)、 本件借用証書は、真正に成立したものと推定される。
 仮に推定が破られるとしても、Bが、平成29年8月中旬頃、前の自宅に泊まったと言う事実は認められないから、Bが盗用したとの事実は、認められない*。
 また、YとBは、幼少時から近所に住んでおり、家族のように仲良くしていたものであり、大学卒業後も、近所に来た際には会うなどしていたから、急に泊まったとしても、自然ではなく、必ずしも印鑑を盗用する目的だったとはいえない。
 また、印鑑とりわけ印鑑登録をした実印は、取引所重要なものであり、家族にも使わせないのが通常であるから**、Bが印鑑を容易に見つけることができたとは考えられない。Bは、幼い頃からよくYの家に遊びに行っていたものであるが、実印を幼い頃から持っていたとは考えられないから、このことからも、Bが印鑑を容易に見つけることができたとは考えられない。
 Yは、会社の業績があまり芳しくなく、最近はボーナスの額が減っており、さしたる貯金もないから、保証するはずがないと主張する。しかし、そのような者が、保証することは、通常あり得ることであり***、特にYとBのように、幼い頃から家族のように仲良くしていた場合には、保証したとしても、不自然ではない。
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*一応争っておいたが、推定が破られるということはそういう事実が認められるということだろうから、無意味だったかもしれない。
**本当か?
***マジ?