最決令和3年4月14日裁判所website(共同事務所所属弁護士が職務を行い得ない事件についての訴訟行為の排除―消極)

対象判例は最決令和3年4月14日裁判所website。 報道 利益相反を抱える弁護士と同じ事務所だった相手方弁護士を、裁判から強制的に外すことは可能か――。こうした点が争われた許可抗告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は16日までに、「具体的に禁止す…

租税法の基本書、演習書等と使用法

(まだ)レビューではないです。試験が終わったら簿記の続きと一緒に勉強します。 目次 よくわかる税法入門 日評ベーシック租税法 基礎から学べる租税法 スタンダード〇〇税法 中里ほか・租税法概説 税法基本講義 増井・租税法入門 租税法演習ノート 金子・…

早稲田大学法科大学院 定期試験 2020年秋学期 倒産法IIB

期末試験と併せてA+。素点は24/30。レポート形式で、1日程度かけて検討した。 1 本件解除条項による解除の可否(設問1) 契約によって解除原因を定めることは、原則として有効である(民法540条1項はそのことを前提としている)。もっとも、倒産手続開始申立…

早稲田大学法科大学院 定期試験 2020年秋学期 知的財産法応用演習

(素点:不明, 評価:A+) 答案はWordで提出。 1 設問1 (1) 考えられる主張 AはQの削除請求(112条1項)の根拠として、自己がQの著作者であることを前提に、公衆送信権(23条1項)および公表権(18条1項)の侵害を主張することが考えられる。 これに対して、…

付郵便送達による判決騙取と不法行為・再審

報道 大分市の女性が、自身が訴えられたことも知らず、判決書さえ受け取らないまま敗訴判決の確定を知り、銀行預金を差し押さえられる被害に遭った。女性は訴えた男性が裁判所をだまして被害を与えたとして、大分地裁に賠償を求める訴訟を起こし、同地裁は1…

改造ポケモンの販売行為に関する不正競争防止法の適用関係

報道 パソコンで改造した人気ゲーム「ポケットモンスター(ポケモン)」のキャラクターを、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」本体に不正に取り込んで販売したとして愛知県警豊田署は4日、名古屋市南区、無職、川松和生容疑者(23)を不正競争防止法違…

著作権法令和2年改正について

改正の概要 インターネット上の海賊版対策の強化 リーチサイト対策(113条2項〜4項〔みなし侵害の追加〕、119条2項4号、5号、第120条の2第3号等〔罰則〕)…リーチサイト等を運営する行為等を、刑事罰の対象とし、また、リーチサイト等において侵害コンテンツ…

凍結受精卵を生物学上の父の同意なしに移植した場合の法的処理

報道 別居中、凍結保存された受精卵を使って勝手に出産したとして、40代の元夫が元妻に慰謝料などの支払いを求めた訴訟の控訴審判決が大阪高裁であった。山田陽三裁判長は「夫が子をもうける自己決定権を侵害した」として一審・大阪地裁判決を支持。元妻に約…

生殖補助医療民法特例法―やる意味あった?

今回成立した生殖補助医療民法特例法についてのメモ。この改正、やる意味なかったよね? 報道 第三者から精子や卵子の提供を受けることによって生まれた子どもの親子関係を、民法で特例的に定める法律が、衆議院本会議で可決・成立しました。 法案は、第三者…

種苗法改正について―種苗法とは何か、改正関係条文

今回成立した種苗法改正について、そもそも種苗法とは何なのか、何が改正されたのか、条文ではどう書かれているのかのメモ。農業のことはよくわからないので政策論には立ち入りません。 報道 国に、新品種として登録された果物などの種や苗を海外へ無断で持…

アウティングについて

アウティングについて考えたことのメモ。 なお、「アウティング」自体、固まった定義がないですが、さしあたり、「他人のセクシャリティで、本人が公にしていないものについて、本人の同意なしに公にすること」としておきます。 目次 2つの事例 一橋大学の事…

LS生のための会計と簿記

LSの必修選択科目として会計を取ってしまい(思っていたよりハードでした)、卒業のために勉強し始めたのですが、けっこう面白かったのでメモ。勉強が進んだら追記します。 目次 会計と簿記の概要 会計と簿記 財務会計 財務諸表:貸借対照表と損益計算書 LS…

最判令和2年11月25日裁判所website(地方議会の出席停止と司法権の限界)

最判令和2年11月25日裁判所websiteについて。判決自体の評価はよくわからないので(板垣先生のツイートなどをご参照ください)、主にこれまでどんな判決・議論がされてきたか(=本判決はどのような文脈でなされたものか)について整理したものです。 前提 …

役員の対第三者責任と債権者優先原則

雪印食品損害賠償請求事件は、役員の対第三者責任における株主の第三者性を原則として否定したものですが、これを理解するためには、債権者と株主の関係や、責任財産というものの意味を考える必要があって面白いので、同事件を素材にそれらについて書いてみ…

ディープフェイクAVの法的規制

目次 報道 ディープフェイクとは何か パブリシティ権侵害 人格権侵害 著作権侵害 素材のAV 素材の画像 名誉毀損 真実または虚偽の事実の摘示 名誉の毀損 報道 人工知能(AI)を使った「ディープフェイク」と呼ばれる技術を悪用して出演者の顔を女性芸能人に…

一票の格差をなくすとどうなるか

アメリカ大統領選挙のWinner-takes-allルールに関して、日本の一票の格差問題を思い出し、衆議院・参議院の小選挙区・選挙区部分を完全に人口比例で割り振るとどうなるかを計算してみたのでメモ。条件は次のとおり。 人口は2020年4月1日現在のものです。 現…

株主招集における株主によるQUOカード配布(プラコー臨時総会開催禁止仮処分申立却下・即時抗告棄却決定)

株式会社プラコーについて、興味深い仮処分(を却下する判断)がなされているのを見たのでメモ。 目次 株主による株主総会の招集 仮処分申立て 会社のプレスリリース 手続的事項 一審決定(申立て却下) 招集株主に対する差止請求権について クオカードにつ…

エコリカ対キヤノン訴訟メモ

報道 プリンター用のインクカートリッジを自社の純正品しか使えないよう設計し、リサイクル品の参入を妨害したのは独占禁止法に違反するなどとして、リサイクル品を製造・販売する「エコリカ」(大阪市)が27日、精密機器大手「キヤノン」(東京)に3000万円…

令和2年6月10日LEX/DB25571019(八ツ橋創業年表示事件)

京都らしい事件。 報道 京都銘菓「八ツ橋」をめぐり、老舗和菓子店「聖護院八ツ橋総本店」(京都市左京区)が根拠なく「創業元禄2(1689)年」を掲げているとして、ライバル社の「井筒八ツ橋本舗」(同市東山区)が表示差し止めや600万円の損害賠償…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 民事訴訟法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 1 設問1(1) 前提 本件の処理に関わる判例法理として、次のものがある。ア 黙示の一部請求がされた場合、訴訟物は残部を含めた債権全体であり、それについて既判…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 商法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 1 前提 甲社、乙社、丙社はいずれも取締役が1人であるから、取締役会非設置会社であり(326条1項、331条5項)、したがって、非公開会社である(327条1項)。2 設…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 民法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 1 設問1(1) AはBの代理人として本件消費貸借契約を締結したが、代理権を有しなかったから、同契約は、本人たるAが追認しなければ、Aに効果が帰属しないのが原則…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 刑事訴訟法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 弁護人の主張は、②事件の起訴が①事件判決の一事不再理効に抵触し、確定判決を経た場合に当たる(337条1号)旨をいうものと解される。 一事不再理効は、原則として訴…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 刑法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 1 詐欺罪 Bから本件居室を借りた行為につき詐欺罪(246条1項)を検討する。(1) 「人を欺いて」とは、財物の交付に関わる重要事項につき虚偽を述べ、相手方を錯誤…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 行政法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 1 設問1 本件条項は、第2処分場の開発許可の付款または契約と解する余地がある。(1) 本件条項は、法や条例に根拠を有するものではなく、法33条および条例の定め…

令和2年 予備試験 論文式 再現答案(?) 憲法

この答案は、法務省による問題の公表後に、制限時間内に六法のみを見て作成したものです。 1 権利の保障・制約 憲法21条1項は、表現の自由を保障する。取材活動は、それ自体は意見の表明ではないが、国民が意見を表明するために必要な情報を提供するために…

金融法の基本書等と使用法(2020年12月最終更新)

金融法の文献を紹介してほしいと言われることが多いので(会社法や倒産法のところで紹介していた文献を寄せ集めるなどして)作ってみたんですが、そもそもそういうことを聞く人って、本当にやりたいことは実は「金融法」という特別な何かではないんじゃない…

離婚訴訟の国際裁判管轄の例外原理は何か?

学部ゼミの今年の合同ゼミの国際民訴グループのテーマ判例が東京高判平成30年7月11日判タ1470号93頁(離婚無効確認訴訟の国際裁判管轄。上告棄却・不受理で確定)で、その検討に4か月程度にわたって参加していたのですが、それにあたって考えたことのメモ(…

アフターピル規制について―バランスは取れているか?

日本産婦人科医会がアフターピルの処方箋を不要とすることについて反対意見を述べ(産婦人科医会「アフターピル、薬局で買えるようにするのはおかしい」 改めて反対意見を表明)、これについて、様々なリアクションがされています。日本産婦人科医会は政府の…

Googleアンチトラスト法訴訟

日本の報道がいまいちだったのでDOJとGoogleのプレスリリースを見てみましょうというメモ。 報道 米司法省は20日、米IT大手グーグルを独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで連邦地裁に提訴した。複数の米メディアが報じた。司法省は、グーグルがインターネ…